「水分補給は大事」とよく耳にしますが、なぜそれほどまでに重要なのかご存じですか? 人間の体内における水の働きとさまざまな効果、適切な摂取量、そして水分補給を手助けする5つのコツをご紹介します。
水分摂取量を増やすことは、健康維持や健康増進のために欠かせない重要な生活習慣です。そして嬉しいことに、水分補給を習慣に取り入れることは、始めるのも継続するのも、とても簡単です。
私たちの身体の約60%は水でできています。しかしそれは、毎日自分の体重の60%に相当す る水分を摂取しなければならないということではありません。多くの専門家が約250ccの水を1日8回摂取することを推奨しています。これは、合計すれば約2リットルになり、十分な摂取量と言えます。ただし、あくまでもこれはガイドラインにすぎません。他の健康習慣と同様、人間には個人差があるため、人によって最適な摂取量が異なる場合があります。
水分摂取量を増やすことの重要性
誰もが水分摂取は重要だと分かっています。しかし、なぜ重要なのか、その理由までを理解している方はあまり多くありません。水は人間の生理機能の様々な分野にプラスの影響を及ぼすことから、生命の源とも健康増進のカギを握るとも言われています。十分な水分摂取を続けるだけで得られるメリットを、いくつかここでご紹介しましょう。
エネルギーレベル: 1日当たりの水分摂取を控えると、人間のエネルギーレベルはどうなるでしょうか?レベルダウンするはずです。軽度の脱水状態でも運動能力に顕著な影響が出ます。
脳の機能: 十分な水分を摂取することは、良い習慣であるに留まらず、実際の知力にも良い影響が考えられます。水分は、脳に栄養素をいきわたらせるのに不可欠だからです。そして、水分を十分に摂取すれば、栄養素と毒素の交換が促進されるため、集中力や注意力が高まります。
新陳代謝: カロリーを燃焼させるには水分が必要です。水分を摂取すると、新陳代謝が活発になり、老廃物が排出され、食欲の抑制効果がでます。また水分摂取量が増えれば体内に水分を貯蔵しなくなるため、その分の体重減少も見込めます。
肌: 肌は単なる臓器ではありません。人体における最大の臓器です。そのため、多種多様な処理機能を備えています。日常生活の中で失われる水分を補給することで、シワの予防から健康的な肌の維持まで肌に様々なメリットが生まれます。水分が不足すると身体は水分を保持しようとするため、むくみが生じます。これもグラス数杯の水分を摂取することで解消できます。
お通じ: 水分があれば摂取した食物が腸内を移動できるため、十分な水分摂取は消化にも良いと言えます。また、水分には腸の柔軟性と円滑な機能を保つ働きがあります。反対に、慢性的な水分不足になると、大腸はできるだけ水分を吸収しようとするため、便秘になることがあります。水分の大量摂取で便秘を解消することはできませんが、便が柔らかくなり腸の健康増進につながります。
腎臓: 砂糖がたっぷり入った炭酸飲料を飲む代わりに、水を飲むようにしてください。腎臓に優しい選択です。水を飲むことで、腎臓が血中の老廃物を除去しやすくなります。また、血液の正常な機能を保つ働きがあるため、腎臓に必要な栄養素が届きやすくなります。実際、十分な水分を摂取することは、腎臓の全般的健康や正常な機能の維持につながることが証明されています。健康と機能のいずれも重要であることは、間違いありません。
十分な量の水分を摂取することは、簡単だと思われるかもしれません。しかし、実際には難しいことも多いのが事実です。特に忙しい日はそうでしょう。背中を押してほしいと思っていらっしゃる方のために、水分摂取量を増やして水分不足を解消する、すぐに実行可能な5つのヒントをご紹介します。
日常的に水分摂取量を増やす5つの賢い方法
1. デザインのいいウォーターボトルを購入する
水分摂取量を増やすには、まず常に水を飲める状態にしてください。最も簡単なのはウォーターボトルを常に携帯することです。在宅の日には、1日の中で最も長い時間を過ごす場所に、ウォーターボトルを常備してください。
2. 水分含有量の多い食品を食べる
水を大量に飲まずに、美味しく水分摂取量を増やす方法もたくさんあります。なかなか水が飲めないようであれば、水分含有量の多い食品を食事にとりいれてください。セロリを何本か刻んでサラダに入れたり、サンドイッチにキュウリを2~3切れ加えてもいいでしょう。
3. フレーバーウォーターにする
十分な水分摂取のメリットを享受したければ、1日中水分補給に努めるだけでは不十分です。それを習慣化する必要があります。つまり、水を飲むのを「忘れないようにする」だけでなく、甘い飲料の代わりに、水に自然と手が伸びるようにしなればいけません。水をより美味しく飲むには、フレーバーウォーターにするのもひとつの方法です。専用ボトルを使えば、ミント、レモン、その他柑橘類など、お好みの組み合わせでフレーバーウォーターを作ることができます。
4. ゴールを設定する
確実に1日中継続的に水分を摂取するには、特定の時間までに飲むべき量を一目瞭然にするといいでしょう。全米医学アカデミーは、1日あたり男性は約3リットル、女性は約2.2リットルの水を飲むことを推奨しています。ウォーターボトルにテープを貼って目盛りにし、時間ごとの目標飲用量がひと目でわかるようにすると確実です。
5. アプリを利用する
水分摂取量をモニターできる便利なスマートフォン用アプリが数多くリリースされています。水分摂取量を記録するなどして、アプリが目標達成をサポートしてくれます。